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前回と今回の「 長所を伸ばそう!神回❶&❷ 」を理解できるまで読むと、マジで見える世界が変わります。両記事で約1万文字あります😁
長所を伸ばそう!という号令は美しい!が「 アカンことは放置してて良いのか? 」なんて質問をいただくわけです。ので、今回は「 伸ばす順番(投資する順番) 」について長所伸展の真髄を実践者の実感に基づいて書いていきます。
会社員として16年間、株式会社船井総合研究所で働いていました。「 中にいたからこそ 」体得できることがあると実感できたことはとても大きな体験です。マスコミで企業のニュースが取り上げられます。「 世間は 」あのマスコミによってその企業をイメージします。もしくは、日常で利用する商品や従業員に触れることで「 なんとなくのイメージ 」を抱きます。直接的に会社を知らないけど、AmazonにはAmazonの楽天には楽天のイメージがあるあの感じです。で、言いたいことは「 中にいる社員が感じている会社の実態と 」「 外から感じている企業イメージ 」には、とてもとても大きな乖離あるよってことです。これは、良い面も悪い面も多面的にです。考えてみたら当たり前なんやけど、当たり前のこととしてメタ認知している人もいないものです。
ってことで、中にいて実践し続けたからこそ体現した、教科書には書いていない企業研修でも教えてくれない長所伸展の「 伸ばす順番(投資する順番) 」について、文量を気にせず書き連ねます。経営者、リーダー必読です。で、コンサルとして企業に関わっている人、講師として人材育成に関わっている人必読です。
Q:長所を伸ばすのは共感するけど、アカンことは放置してて良いのか?
A:NO
あきません。長所伸展というのは「 長所を伸ばせ。ただし順番が大事 」という文章が続きます。
まず、言葉を定義しておきましょう。長所伸展の真髄を理解するために今回初めて「 欠点 」という言葉に登場してもらいます。
長所、短所、欠点、誰でも理解できる日本語です。が、この3つの単語を、第3者が理解できるように説明できるか?と問われると、たちまち怪しくなります。特に、短所と欠点の異なりは、なんかモヤッとします、よね?で、この3つの言葉が定義付けできたとき、長所伸展の「 投資の順番 」は9割決まります。
長所短所は健全、欠点は病気
(文量は気にせず書こうと思ったけど、長所、短所、欠点の説明はざくっと省略することにした。詳細は、音声でフォローします)
長所短所は「 テストの点数 」にしましょう。70点とか80点取れる科目は、あなたの長所です。が、30点とか40点の科目はあなたの短所です。あなたは70点とか80点取れる科目を活かした受験対策をしましょう。
Q:じゃあ欠点は10点20点の科目か?
A:NO
ここが理解のポイントです。このテストの場合における欠点とは「 名前の書き忘れ 」です。名前を書き忘れていたら、そもそも点数のテーブルに乗れません。または「 テスト時間に遅刻してくる 」という寝坊グセ、約束を守れない体質、などです。これらが明らかな「 欠点 」です。
「 営業 」「 商品 」の場合に置き換えて考えましょう。
例えば❶|営業
営業パーソンの長所と短所は、例えば「 電話アポは得意 」でも「 お客様を前にした商談は苦手 」とか「 プレゼンは得意 」でも「 パワポ資料作成は苦手 」とかです。テストの点数をイメージしてもらえれば良いでしょう。その場合「 得意を任せる 」「 苦手は仲間が代行する 」です。
で、欠点は「 必ず時間に遅れる 」「 態度が偉そう 」「 口臭い、歯がボロボロ 」などです。
例えば❷|商品
家電店で「 商品Aがめちゃ売れている 」けど「 商品Bは年間で1つ売れるかどうか 」です。その場合、商品Bに投資するのではありません。売れている商品Aの売り場面積を拡大し、種類を増やし、販促を強化すると、店全体の売上はさらに上がります。
で、欠点は「 商品Cの部品が欠損している 」「 商品Dのサポート期間が終了している 」などです。
さて「 投資の順番 」を発表します
以上。
順番が大事です。「 アカン部分は最優先で改善しろ! 」です。
いくら長所があっても、顧客の前に立たせてはいけません。早かれ早かれクレームになります。早かれです。長所なんか言っている場合ではありません。改善するまで顧客の前に立たせる必要もありません。歯医者に行かせましょう。もちろん自費で。ってか、そんなヤツを採用している採用責任問題です!
いくら長所があっても、クレームになります。棚に並べている場合ではありません。「 商品 」ではありません。お店の信用問題になります。
欠点とは「 スタート地点に立つ条件を満たしていない 」ことです。ので、後回しにすればするほど「 問題 」になります。ので、最優先で投資して改善する必要があります。会社でいうと「 赤字部門をどうするか? 」「 ハラスメント社員を最優先で対処する 」などです。
で、欠点が改善されたら長所に投資です。長所に続いて短所へ投資しないのは、前回の記事で復習をしてください。
で、前回のこの「 長所が伸びれば、短所は気にならなくなる 」には「 さらに 」その後があります。
長所を伸ばすと、短所も一緒に伸びていることが多いんです。テストで例えると得意の算数を70点から90点に伸ばしたことで、苦手だった社会が30点から50点に伸びちゃった、ってイメージです。なんとなく想像ができると思います。が、不思議と逆のことは起きません。苦手な社会を30点から50点に伸ばしたとき、得意の算数は70点のママです。
大事なのは「 順番 」それ以上に大事なのは「 相互理解 」です
確かに「 欠点 」を「 スタート地点に立つ条件を満たしてない 」と定義すると、とても納得いく話だと思います。だから故に、議論する余地なく最優先で投資して改善するということも納得いく話でしょう。
もし仮にあなたが上司で、今日のブログを納得しちゃった場合、とても危険です。なぜなら、あなたの部下は長所伸展を知らないからです。つまり「 1.欠点 」「 2.長所 」「 短所は放置 」の意味も価値も知りません。
長所伸展で大事なのは、まさに、このブログの順番です。
です。そのうえで初めて「 だから、まずあなたの欠点を改善するように求めます 」が成立します。もちろん、常日頃のコミュニケーションにおいて「 あなたの長所はここです。あなたが苦手なのはこれですね 」というフィードバックがなされていることが前提なのは言うまでもありません。
【経営コンサルタントであれば…】
経営コンサルとして企業に関わる人がまずしなくてはいけないのは「 経営者に長所伸展の価値を教育すること 」です。経営者は「 業績を伸ばして欲しい 」と依頼してきます。もしくは「 ウチの従業員を教育して欲しい 」と依頼してきます。で、その裏には( ダメな部分を指摘して欲しい )という暗黙知が含まれているケースがほとんどです。が、多くのコンサルは「 何をするか? 」という目先の手段の提案をします。つまり長所伸展の価値共有をしません。この順番の価値が共有できていないと、経営者は少しづつ( なぜ、短所を放置するのか? )と疑念を抱くようになっていきます。そうなると、どんな提案をしても受け入れられなくなっていきます。
【部下を育てるリーダーであれば…】
私は、部下にガミガミ言うリーダーではありませんでした。が、この「 欠点 」に対しては、誰よりも厳格に指導し続けました。いわゆる「 会社のルールを知らない 」「 ルールを破る 」「 知らないのに反論してくる 」部下には問答無用で言い続けました。1mmも譲る幅を持っていません。ほとんどの会社員の勘違いがここにあります。会社のルールは「 守った方が 」良いんです。ルールを破るから「 ガミガミ言われる 」わけです。どんどん応援されなくなります。ルールを守れば守るほど「 誰からも管理されず超~自由 」が約束されます。このことを含めて教育するのがリーダーです。そのためにはまず「 会社のルールを知ること 」からです。詳細は「 内向型リーダーのモテる仕事術 」を参照ください!
で、長所伸展なんか軽~く超えてくる「 嫉妬 」「 やっかみ 」
で、組織ってのは有象無象の「 嫉妬 」「 やっかみ 」が渦巻いていることを知っておきましょう。分かりやすく足を引っ張ってくる奴、分からないように足を引っ張ってくる奴、色々います。全ては「 拗ねている 」という醜悪な感情です。これは、人間であれば誰しも持っている感情です。この存在を認知しないと、長所伸展の価値を浸透させることはできません。
いわゆる老害と言われる人は「 若手に成長されたら困る 」んです。自分のポジションが危ぶまれますからね。だから、私が参加している会議中(経営コンサル会議)ではニコニコしているけど、会議が終ったら「 あいつの提案は無視しろよ 」と部下に指示をしたりしています。こんなケースは、マジであるんですよね…。いやマジで…。
その意味で、最上長である経営者は、こういう上司を「 欠点 」として対処できるかどうか?が問われます。組織を崩壊させるリスクですからね。が、しかし、です。多くの中小企業の経営者は「 長年貢献してきてくれていたから… 」を盾に、部長職や店長職を擁護しています。「 欠点 」を養護し、放置するわけだから、長所伸展が機能しないのは当然です。順番が大事です。
前回と今回の記事を理解できたあなたは、なぜ日本の多くの組織が良くならないか?がなんとなく理解できたと思います。「 欠点 」が放置されているからなんです。で、これは内部の人間だけで改善するのは簡単ではないよな…ってことも同時に理解できたでしょう。
※当時、石丸市長(広島安芸高田市)が「 居眠り議員(=欠点) 」を最優先で糾弾していた理由も理解できると思います
長所伸展をまとめておくと
【中にいたから分かることでいうと…】
船井総研って経営コンサルティング会社です。のでクライアントを指導する立場です。が、毎年のように社員による不正があったんよね。お金の不正もあればハラスメントもあればお酒に絡む失態もあれば。で、これらは明らかに欠点(アカンこと)なので、全社会議の「 冒頭で 」「 最重要案件として 」全社員の共有されていたわけ。長所は大事やけど、欠点は認めませんという姿勢です。多くの会社では、欠点を共有せず上層部だけで処理して終了…やからね。これも中にいたからこそ分かる解像度です。
p.s.
いやぁ…長所伸展だけで2時間の研修ができますね。
企業研修のご依頼お待ちしております😁 私の長所は、分かりやすく楽しいのは大前提で2割の優秀な参加者の心に火を点けることです。2割の優秀な参加者(=長所)を伸ばせば、あとはそれに影響を受けて、残りの内のさらに2割の優秀予備軍が伸びます!あ、欠点は…品がないことかなぁ…。ご相談ください。
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