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Cさんの文章添削コンサルをしています。
Cさんは今年から、ある業界紙への執筆依頼がありました。一年間、毎月テーマが変わります。その記事の添削です。私が添削しているのは大きくは3点です。
自分のフィールド(ブログ、SNS)ではなく、他人のフィールドで仕事をする場合「 依頼者の期待値を外さない 」ってのは、プロとして最低限必要な気遣い、心遣いです。が、ほとんどの人は、この観点がごっそり抜け落ちて「 自分が言いたいこと 」だけを書いていきます(セミナー、講演、研修の依頼であっても同じ)。
依頼者の期待値を外さず、かつ、その先の消費者の満足を両立させていくことで依頼者からのリピートに繋がります。初期段階で依頼者の満足を獲得する仕事の進め方をしたので、来年も高確率でCさんへの執筆依頼がくると思います。し、既に、記事を読んだ読者(経営者)から仕事も発生しましたw
1.読者層(経営者)が読みたくなるテーマか?
業界紙です。ので、その業界の読者層を知る必要があります。かつ「 どんなタイミングで 」「 どんな状態で 」業界紙が手元に届くか?も知る必要があります。で、今のご時世です。1.Web版が先に公開され、その後 2.紙版が手元に届きます。って流れも知っておくことが必要です。Cさんから依頼者に流れを確認してもらいました。と同時に、Cさんのご支援先にも現場の事実を確認してもらいました。
2万部発行されている業界紙です。Cさんのご支援先に確認してもらうと「 読んでいません 」「 ときどき読む程度です 」という経営者がほとんどでした。ま、そんなもんです。こういった読者側の実態を把握しよーとする人がいません。こんな行動が記事の内容以上に、依頼者の信頼を得ていくことになります。
で、私が提案したのは「 業界紙が手元に届くタイミングで、業界の経営者が一番興味関心が高いテーマを記事にする 」です。依頼者からは1年間の毎月のテーマが送られてきました。ので、ほとんどの人は、その通りに執筆するでしょう。が、私はCさんに「 依頼者に理由を説明して、テーマを変える交渉をしてください 」とアドバイスしたわけです。
例えば、4月15日に手元に届く「 5月号 」の場合です。
依頼者側から指定されていたテーマが「 (就業規則の作成) 職員が働きやすい職場環境をつくるために① ~なぜ就業規則が必要なのか~ 」です。
で、私が提案したテーマが「 新入社員のケア 」です。
私がCさんに質問したのは「 4月15日のタイミングで、その業界の経営者が一番悩んでいることは?つまりCさんに一番多い相談は何?※事実確認 」です。で、Cさんは「 新入社員の早期離職に関しての相談ですね… 」
私「 はい、じゃあ、それで! 」
2.Cさんが書く理由があるか?
昨日は、Cさんの記事へのダメ出し回でした。というのも「 総花的な 」「 幕の内弁当的な 」記事内容だったからです。
「 総花的な 」「 幕の内弁当的な 」記事ってのは、要は「 ネットで検索したら出てくる程度の 」もしくは「 業界でよく耳にする程度の 」記事です。
簡単に言うと「 つまらん 」「 役に立たん 」記事です。なんちゅーか、ただの読み物です。であれば、わざわざ業界に詳しい、業界の現場を良く知るCさんが書く必要がありません。
業界に詳しい、業界の現場を良く知るCさんだからこそ「 確かになー 」「 この人よく分かってはるわー 」「 なるほどなー 」って記事を書けるハズなのに、です。だからダメ出しです。
「 総花的な 」「 幕の内弁当的な 」記事(話し方)になる人の心理状況に「 嫌われたくない 」があります。普段の口癖は「 ~かなぁと思います 」です。ズバッと言い切ることが苦手です。なぜなら「 全員に該当することはなく、ケースバイケースなので… 」という保身、逃げの思考が癖づいているからです。批判を避けたいわけです。厳しくいうと「 職業理解ができていない 」のです。
仕事を依頼されたら「 総花的 」「 幕の内弁当的 」ではなく「 あなたである理由 」「 あならだからこそ 」「 専門家のあなたのプライドを持って 」思い切って絞り込んでください。で、ズバッと言い切りましょう。あなたならではなの「 えぐみ 」を磨きましょう。
3.仕事の相談、依頼が発生するか?
読んでくれた人の役に立つ記事にすること、は最低条件です。このマインドが薄れると、ただの自慢話や宣伝記事になっていきます。これまで私が出会ってきた最も醜い講演は「 30分の講演時間、ずーっと自社紹介をしていたオッサン 」です。ま、お陰で、その後に講演した私の30分が光り輝いてしまいましたけどねw
依頼者はもちろん、その先のユーザー(エンドユーザー)の役に立つ記事に(講演)にすることは当たり前です。が、私が点検しているのは、その記事を読んだ読者からCさんへの問合せ、できれば仕事の依頼が発生するかどうか?です。
例えば、今のタイミングで「 採用にZoomを使って、オンライン面接をしましょう 」という記事を書いても相談はきません。記事を読むだけでやり方も想像できます。し、今さらZoomの使い方を教えて欲しいという人はいません。が「 採用にAIを使って、応募者の適性を診断しましょう 」って記事ならどうでしょう。
相談や仕事の依頼が発生するかどうか?は、テーマ(経営者の悩み深刻度合い、解決したい痛みの程度)と他者に依頼しなければ自分ではできないこととのギャップにあります。深刻に悩んでいなければそもそも行動しません。し、自分でなんとかなりそーだ、と思っても行動しません。この両方の観点から添削します。これは、ロジカルなようで感覚ですけどねw
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記事のことを書いています。が、記事のことを書いていません。メタ認知です。仕事を依頼されたときの思考法です。メタ認知、職業理解、そして誇りを!
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