「 長所を伸ばそう! 」は、古今東西、最強戦略です。業績アップも人の成長も、です。
で、これ、本当の価値を理解して実践できると…マジで1%の稀有な人財になれます。(人材は材料、人財は財産)今回は、そんな「 長所を伸ばそう!の本当の価値、真髄 」を20年近く意識的に実践している私が、文章の長さを気にせず書き連ねます。有料級とか神回とか著者が書くなよ!という自分ツッコミしたとしてもマジで神回です。人生変わります。20年前の私と、今の私は別人です。
2004年、当時30歳の私は人生で最初で最後の転職活動をします。で、運良く転職できたのが、株式会社船井総合研究所という経営コンサルティング会社です。転職動機、それが「 長所伸展※船井用語 」という船井総研が掲げている企業文化でした。16年間勤めることになる船井総研で、私がその中にいたからこそ身に付けることができた「 長所伸展 」の知られざる真髄、を書き連ねます。外に居て本を読むことと、その中にいることって、まーったく異なる学びの質とレベルがあるんですよね。
勉強熱心な人は「 長所を伸ばそう 」という言葉は知っていると思います。が、その後に続く言葉を知っている人いないでしょう。「 沈黙は金 」「 面白くなき世を面白く 」に続くの文章までを知る人がほとんどいないのと同じように、です。
長所を伸ばそう、の実践を2万回した人が見える世界がある
短所は気にならなくなる。
これです。これが真髄、これが格言、これが天啓です。
当初この言葉は、文章としては理解できるけど、実感値が無いので( ホンマに?んなことある? )と否定的に受け止めていました。
「 長所を伸ばす 」という言葉に共感をできる人は多いでしょう。が、日々日々実践できるかどうか?というのは、その感覚の5億倍難しいことだ、とメタ認知が働けば働くほど気づくことになります。
なぜなら、これはスキルや性格の問題ではなく「 人間の本能に抗う行為だから 」です。
私たち人間には「 欠けているところを発見する 」「 自動的に脳が発見する 」「 目が追いかける 」という機能が備わっています。動物だからです。生命を維持するために、リスク管理能力が備わっているんです。
あなたも、日常生活において
・相手の言い間違い
・文章の誤植
・寝癖
・ネクタイが曲がっている
・床が汚れている
・ゴミが落ちている
って欠けていることを「 秒で 」なんなら「 無意識で 」発見しますよね。それです。これが、私たちに備わっている「 欠けているところを発見する 」能力です。本能として人間に備わっちゃっている能力を抑え込んで発動しなければならないのが「 長所を伸ばす 」という行為です。
ので、これは、感覚的に共感できたとしても、実践する、そして「 自然と実践できちゃう 」という領域に達するには想像の5億倍難しいのです。
世の経営コンサルタントと一線を画する船井総研のコンサルスタイル
Q:多くの経営コンサル会社がある中で、船井総研が船井総研として独自である理由があるとすれば?
これは、どんな会社、個人にも当てはまる究極の問いです。会社員であれば、自分に対してこの問いに明確な言葉を持っていて欲しいものです。
私は
と答えていました。
恐らく、世の多くのコンサルタントに対してのイメージは「 問題を解決する 」です。で、コンサルタントを職業としている本人も「 問題を解決しなきゃ! 」です。
そのため「 現状チェックシート 」なんかで診断をします。なんとなくでいうと、会社版の健康診断だと思ってください。するとどーなるかとういと…
「 社長、ここが問題です! 」
となります。伝わっていますか?
船井総研のコンサルティングは、ここで一線を画しているわけです。
「 社長、ここが長所です! 」
粗を探して指摘すると「 気持ち良い 」
「 やってやった感 」というか「 仕事した感 」というのでしょうか。経営者からコンサルティングを依頼され、クライアントの会社の至らないところをバンバン指摘し、その至らないところに対して改善策をバンバン提示し…。おっしゃ!コンサルティングしてやったぜ!!!
で、翌月訪問したら、何も改善されていない…
「 先月、言いましたよね? 」「 役割分担も決めましたよね? 」「 PDCAを回すって決めましたよね? 」「 で、なんでやってへんの? 」
成果を求められるコンサルタントは、やっていない先方に詰問していきます。で「 今月はしっかり頼みますよ! 」「 分からなければ放置せず連絡ください! 」と言い残して会社を後にします。
で、翌月訪問したら、また何も改善されていない…
これ、コンサル現場でよくある話です。一般的には不思議に聞こえます。依頼しているのに、なぜ、何も行動しないの?経営者は何を考えてるの?従業員はなんで行動しないの?って。
現在、私が個人コンサルをしている方も、この罠に陥っていました。「 他人のことはよく分かる 」し「 他社の駄目なところはすぐ分かる 」んです。だから「 ここが問題です! 」「 こうしなはれ! 」って簡単に言えます。これ、マジでコンサルタントじゃなくても、それなりにちゃんと会社員やってきた人であればできます。いうなれば、友だちの恋愛相談でアドバイスしているときのあの感覚です。他人のことはよく分かるし、で「 気持ち良い 」んです。
経営者に依頼されて(期待されて)呼ばれるわけですからね。で「 やったった感 」があるんですよね。
この「 沼 」は、なかなか自分では気けません。ので、ずーっと沼から抜け出せません。
長所伸展の真髄を書いていきます❶
あ、実は「 長所を伸ばす 」というのは、特殊な才能です。めちゃ訓練が必要な特殊スキルです。本を読んだ程度で身に付くモノではありません。
って、ここまでの文章でなんとなく感じ取っているかもしれません。これをもう一段階、因数分解します。
伝わっていますか?
長所伸展で、とてもとてもとてもとても大事な能力は「 (1)長所を発見する 」です。これは、鍛えないと身に付きません。私たちにはこの能力が圧倒的に不足しています。一般的な日本の環境では「 ダメ出し文化 」の中で育ちます。学歴社会も「 減点方式 」です。で、他者と比べて育ちます。ので、長所を発見するという能力が身についている人はいません。偶然「 育ちが良い 」家庭に生まれるというガチャ次第です。
で、さらに日本人は(2)言語化する、も苦手としています。この文化がありません。ので、相手の中に長所を発見したとしても、その長所を伝えません。自分の考えを口にしない文化です。し、仮に長所を相手に伝えたとしても「 いえいえ、それほどでもありません 」なんて否定しちゃいます。あるあるですね?
ので、一切、長所伸展の文化が育まれません。時代は変わったけど、未だに根幹は短所是正です。
あ、言いたいのは「 長所を伸ばそう! 」と啓蒙するだけではアカンのです。そんな額縁では定着しません。もし、会社や個人として長所伸展の文化を育みたいなら
長所を
(1)発見する
(2)言語化する
を、行動レベルで仕組み化する必要があります。1on1で行う面談の内容を見直しましょう。評価制度の評価項目(書いている文章)や評価の方法を見直しましょう。そもそも、企業に掲げてあるクレドを見直しましょう。日々の言動が(1)長所を発見する(2)長所を言語化する、に紐づく仕組みに変えましょう。じゃないと「 長所を伸ばそう 」の掛け声だけでは何も変わりません。
事実、長所伸展を企業文化の根幹と掲げている船井総研の社員であっても、短所是正の人で溢れ返っています(でした?)。
2004年当時、長所伸展の言葉に惹かれて船井総研に転職したわけです。が、その社内では、現実的な光景が繰り広げられていました。「 罵声、怒声、罵り 」という短所是正が普通に行われていました。全員が長所伸展の実践者ではなかったわけです。ま、当たり前といえば当たり前です。
幸い、私が転職したのが30歳です。ので( ま、そらそうやわな… )と、理想と現実の異なりを受け入れるほどには柔軟でした。この現実が、私にとっては幸いでした。お陰で「 船井総研の社内でも長所短所があるわけやから、その中でも長所を見るように心がけよう 」と、強く自己啓発する機会になったんです。やぁ、中に居たからこその深く学ぶことができました。
が、言うは易し横山さんです。はやり人生30年で染み付いた「 短所是正 」の本能に負け続けます。私、最初のクライアント先で思いっきり「 短所を指摘 」して、クビになります(契約終了)。上長が、暇な私のために研修の仕事を受注してくれたんです。その転職して最初のクライアントの幹部研修で、張り切って「 短所を指摘 」したんです。本人は「 やったった感 」です。
経営者がブチ切れていたと知ったのは、上長からの電話によってでした(上長のクライアントだったので、私の知らないうちに尻拭いをしてくれた)。この一件で、自分が言葉だけ長所伸展を理解したつもりになって、何も分かっていなかったことに気づくことになります。ここから私の、本当の意味での長所伸展の実践が始まっていきます。全ては必要必然ベストタイミングでやってきています。
長所伸展の人にはなれた感覚はある
そんなこんなで16年間船井総研に勤めることになります。その期間で、私は長所伸展の人になれた感覚はあります。転職前は「 超~短所是正 」の嫌な奴でした。そんな短所是正人間だった私が自覚できるほどに長所伸展の人に変われたと思います。し、入社13年目には、1,000人の全社員が選ぶ優秀社員で1位に選ばれました。ので自他共に、と言うことにしておきます😁(口の悪さ、下品さは変わるつもりがない…)。
今は、意識して長所を発見し、それを言語化できるようになったのです。ちなみに超一流の領域になると「 長所しか見えない 」と言います。が、その意味でいうと私は超一流ではありません。意識しないとどーしても短所に意識が向きます。し、意識しないとどーしても短所を言語化してしまいます。
で、3年前に船井総研を辞め、現在、個人で働いています。16年間で鍛えた長所伸展の能力がめちゃ活きます。し、特殊能力やな、という実感があります。私の講座にくる受講生は、基本「 プレゼンが苦手 」「 人前で話すのが苦手 」な人です。そんな受講生に対して、私は自然と(1)長所を発見し(2)長所を言語化して伝えることをしています。
最初、不安な表情を浮かべていた受講生は、私の言葉を受け取ると表情がパッと明るくなります。とはいえ、私の言葉を素直に受け取れない人もいます。自分に自信が無い人です。で、私は言います。「 プロの私がそ~言っているんです。間違いありません。 」と。
ちなみに、在籍期間16年間、年間250日労働だとしましょう。で、毎日5回は長所伸展していたとして…
16年間✕250日✕5回=20,000回
20,000回も実践をすれば、短所是正のプロであった私程度の人でも長所伸展の人にはなれそうです。少なくとも「 相手に求められない限り、わざわざ短所を指摘しない 」というスタンスは身につきます。
ちなみに、未だに私の最大の長所は、秒で短所が発見できることです。し、秒で改善策を言語化できることです。日々、修行です。
長所伸展の真髄を書いていきます❷
で、です。「 長所を伸ばそう! 」の真髄、最大価値を伝えます。これは、実践者じゃないと本当の意味での価値を理解できません。が、内容は、とてもシンプルです。
A:続く
長所の方が続きます。長所を伸ばし続ける方が続くんです。で、成果が出やすいんです。そうなると気持ち良いからね。だからまた続きます。
伝わっています?
冒頭のコンサルティング現場を思い出してください。問題を指摘され、改善策を提案されにも関わらず、翌月訪問したら、何も改善されていない…。
あなたはどうでしょう?自社の短所を指摘されて気分上がります?で、改善しろ!と言われたら前向きに取り組めます?
私はできません。ま、業務命令であれば最初は頑張るかもしれません。が、やっぱ苦手だと思っていることなので辛いんです。し、そもそも苦手なことなので成果も出ません。で、成果も出ないと継続するモチベが湧きません。ので、挫折します。ので、やっぱ成果が出ません。
これです。
続く、続かない
自分周辺を思い浮かべてください。ですよね?
なんでも一瞬で成果を欲しがる時代です。が、ま、たいだい詐欺です。か、大きな反動が出ます。ので、これまでもこれからの時代も「 コツコツ続ける 」が、最強のノウハウです。だから「 続く 」そのためには長所伸展なんです。
で、
「 沈黙は金 」「 面白くなき世を面白く 」です。
そう、長所を伸ばして成果が出てくると、あれだけ気になっていた短所のことなど忘れちゃうんです。これは実践者じゃないと実感できないんでしょう。私も当初は超~懐疑的でしたからね。
私が今お付き合いしている個別コンサルのお客様もたくさん短所があります。が、私は、基本、求められない限り指摘しません。んなことより「 めちゃえぇやん 」と、相手の(1)長所を発見し(2)長所を言語化しています。すると、やっぱ成果に繋がるんですよね…。
何よりもね、やっぱり、本人が「 自分の長所を自覚する 」んです。私がブレずに言い続けるから。言い続けてあげると「 自分の長所を自分で受け取れる体質 」になっていきます。これが強い。自分を信じられるようになるから。
私の場合( この人、面倒くさい人やな…。私から離れて欲しいな…。と思ったら、あえて指摘します。離れてくれます😁 )あ、基本的には、相手に求められない限り指摘しません。
ってことで、文章の流れを意識せず「 長所を伸ばそう 」の真髄を書いてきました。書いている内容はとてもシンプルで「 頭で 」理解するには容易だったと思います。で、人生変わりそうでしょ?
長所伸展の実践者になるには、マジで想像の5億倍難しいです。本能に抗う、超メタ認知が必要です。マスコミもSNSも「 人の失敗を攻撃して 」盛り上がっているでしょ?人の不幸は蜜の味!やっぱ人間としてはそっちの方が「 気持ち良い 」んでしょう。見ている側もね。
「 だから 」長所伸展の実践者になれれば、1%の人財になれます。材料扱いされずに財産として重宝がられます。生成AIって、その意味ではめちゃ長所伸展でアドバイスくれます。普通の人は、現時点で生成AIに完敗しています。試しに生成AIをそんな視点で観察してください。彼らは、こっちが短所是正のプロンプトしない限り長所伸展で接してきます。わざわざ相手の短所を指摘して( 気持ち良い )なんて快楽を得る行動をしません。
まずは自分自身への長所伸展です。で、一番メタ認知しなアカンのは、他者とコミュニケーションするときです。特に、コンサルタントや講師、リーダーというポジションで「 相談されたとき 」は、要注意です。つい、気持ち良くなって短所を是正して「 やったった感 」に溺れてしまいますからね。
あ、で、最後に真髄❸をコソッと伝えておきます。この「 相手の中に長所を発見し、言語化する(伝える) 」ってのは、自分を磨く最強の訓練だってことです。長所を発見して言語化するって、人間性が低い人はできません。人間性が低いと相手に嫉妬しちゃうから。そんな小さい自分すらも脱皮し、次元上昇させてくれるのが長所伸展です。相手に喜ばで相手を成長に導き、で、結局自分の人間性が磨かれていくという…。人生という時間軸で取り組み続けたい超能力です。
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