一番キケンなのは、相手ではなく、鵜呑みにしてしまう自分の思考癖です。をメタ認知しましょう。
スポーツ選手が20代で世界で活躍する様子を捉えて「 スポーツ選手は20代で世界と戦っている。貴社も20代が活躍する会社に組織改革しないと、これからの時代で成長できませんよ! 」的に提案するコンサルや研修講師の話術は、確かにその通り、と思ってしまいます。
を、論破!していきましょう。誰の情報であっても、権威性だけで鵜呑みにしない思考癖を鍛える必要があります。
スポーツ選手で20歳ー25歳で世界と戦っている、という彼や彼女は「 5歳から始めた 」「 10歳から始めた 」という、キャリア10年を超えるベテランです。ので、単純に年齢だけを比較して論じても意味がありません。あ、はい、これで、ロジック崩壊、論破終了です😁 ※論破が目的ではなく、情報を鵜呑みにしない習慣を身につける
ちなみに「 卒業文集 」も、コンサルや研修講師がよく取り上げる素材です。これも鵜呑みにしない習慣化にはもってこいの教材です。
「 小学校の卒業文集で、既に将来の夢が書かれていた 」的なあれです。実は、これも、状況的な論点のすり替えだったりします。
卒業文集の構造を明らかにしていきましょう。
小学生で野球をやっている人はいっぱいいます。野球の成功体験(大会で優勝したり、活躍したり)がある人は、卒業文集の「 将来の夢 」という問いに「 甲子園に出場して、プロ野球選手になること 」と書きやすい状況は容易に想像できます。今であれば「 大谷選手の様に、二刀流でメジャーリーグで活躍できる選手になることです 」です。
気づけましたか?そもそも「 野球が上手な小学生が書いている 」んです。下手な小学生は、そもそも、プロ野球選手になるという夢を書きません。
つまり、毎年毎年、数えきれないほどのプロ野球選手になるという卒業文集が存在しているわけです。で「 結果的に 」成功したプロ野球選手の卒業文集を取り上げると「 書いてあった 」という構造です。つまり、プロ野球選手になるという夢が「 実現されなかった卒業文集 」が、数え切れないほどあるんです。これが、現実的なストーリーです。ので「 夢を書けば実現する 」とか「 あのプロ野球選手は、小学生からの夢を実現した 」というのは、一部を切り取って「 都合よく編集された 」情報です。実現しなかった卒業文集は取り上げないわけですからね。
と、まぁ、捻くれていると言えば捻くれた思考です。大事なのは、鵜呑みにせず、自分で思考する習慣化、です。
私であれば、卒業文集の事実を伝えます。で、その事実を伝えた上で「 夢が叶う人 」「 夢が叶わない人 」の違いがあるとすれば?という論点を展開していきます。これが、私にとってフェアな伝え方だと思うからです。
この「 スポーツ業界では20歳や25歳で世界トップレベルと戦っている 」という一部と切り取った事実を伝えるのは、コンサルや研修講師がよく使う論法です。「 だから、ビジネスでも20代から世界基準で活躍する会社に変えていかなければ… 」と提案を続けていきます。ぼーっと聞いていると、確かにそうだ、と聞こえそうなロジック展開です。
事実は、彼らスポーツ選手は、幼少期からトップレベルで鍛えられてきたエリートでありベテランです。ので、その年齢だけを単純に切り取って事例として論じても意味がありません。
私であれば、その事実を伝えた上で「 20代で世界基準で活躍できるビジネスパーソンを育てるのであれば、幼少期から(例えば)プログラミングに没頭していた人を採用しましょう。彼や彼女は、採用時点で既にキャリア10年以上と言えますからね。 」という論点を展開していきます。育成ではなく「 キャリア採用 」です。普通の大学を卒業した人よりも「 採用した時点で 」既に圧倒的な「 キャリアの差 」があります。そんな視点を経営者に持ってもらいたいのであれば「 スポーツ業界での若い選手の活躍 」を取り上げる理由は真っ当と言えるでしょう。
この世なロジックの嘘(切り取り)、を見抜くには日常から「 誰が言うかより何を言うかが大事 」をメタ認知し続けることです。特にテレビ報道、有名人の発言、権威者(経営者や上司だから)の発言は「 誰が言うか? 」の影響力が強くなります。ので、何を言っているのか?の中身を自分で検証できる思考癖が大事です。
※相手の話を否定する、という論点ではあります。相手の話を素直の聞く姿勢は大事です。じゃないと失礼です。が、聞いた後の「 受け止め方 」です。盲信するか?自分で思考した上で選択するか?情報洪水時代に鍛えておきたい思考習慣です!
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