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いつの頃から、基本的には「 笑えない 」体質になってしまいました。笑うことよりも、観察してしまうんです。「 趣味観察です 」というくらい、観察してしまいます。内向型の人って「 人の顔色を見て育ってきた 」とか「 空気を読む 」なんて言いますよね。これ「 観察力 」って翻訳するだけで、一瞬で「 長所 」に変換できるから、お得でっせ!私の趣味は観察やし、長所は観察力です。かなり変態レベルだと思います。
という輩さえ、笑わせてしまう芸人さんにrespectしかありません。あとは、会場の観客の空気感ですよね。昔から言うてますが、人志松本のすべらない話って「 聞き手の力量が9割 」です。もう、みんなが楽しそうに、オーバーリアクションと相槌で、しゃべり手が気持ち良くしゃべれる空間を演出し続けます。実際にはすべっている話であっても、ボケたりツッコミを足すことで、すべらない着地に導きます。ので、私がしゃべっても「 すべらせてくれない 」そんな聞く力があの場にはある、とそう思います。
で、です。TKOさんのオープンニングトークで、まさに、その「 振り 」をされていました。
木下さん「 受けたらTKOの手柄。滑ったら皆さんの責任です 」って。(会場、爆笑)
で、初めてのお笑いライブだったんで、発見がありました。お笑いライブに来る人って、笑うんですね笑。特に、単独ライブだから、TKOさんのファンとかTKOさんに興味がある人がほとんどなんで「 笑う準備が整っている(気持ちが緩んでいる) 」です。これはこれで、再発見でしたね。あそっか、お金を払って笑いに来てはるんや、って。そっかそっかって。お金払って期待値が上がるんじゃなくって、さぁ笑おう!って、笑う準備ができてるんや、って。
で、そもそも、分かってました。が、私が異常なんやって笑。会場中を観察している奴なんて、異常なんやって。笑いが起きたら周りの反応を観察するとか、ハプニングが起きたら関係者の顔色を瞬間的に観察しているとか、異常なんやって。ま、それが、私にとって趣味なんで、本人は楽しいから良いんですけどね。
さて。
コンサルや講師で、人前で話す人は、この「 聞かせる力 」を観察して、言語化することをオススメします。色んな「 聞かせる力 」がありますからね。
木下さんの「 受けたらTKOの手柄。滑ったら皆さんの責任です 」も、その一例です。
ただ、これは、再現性は下がります。芸人さんだからということと、そもそも笑う準備(聞く準備)が整っているファン客という信頼関係があるからです。ので、抽象度を上げて理解してください。聞く側にも場をよくする責任があるんやって、認識してもらわなあかんということです。
映画館なら「 盗撮はドロボー、犯罪です 」と、厳格なメッセージをコミカルなタッチで伝えていますよね。あれも、聞く側の責任を問う一つの方法です。
あ、この聞かせる力ってのは、ツカミとが一発ギャグとか、んなことを意味しません。最初から最後まで、コンスタントに相手の聞く姿勢を整え続ける力です。ネガティブ表現を用いれば「 飽きさせない力 」だし、ポジティブ表現を用いれば「 楽しませ続ける力 」です。
だからこその「 シナリオ 」です。TKOさんのライブも、コントとコントの繋ぎ(衣装を変える時間)は「 映像 」が流れるんです。それも、ちゃんとコメディになって、聞く側の集中力を持たせる全体のシナリオになっていました。
ということで、私みたいに変態的に観察し続ける必要はありません。が、ときには、そんな視点で参加してみると、これまでと異なった世界が目に飛び込んでくるでしょう。一流の色んな工夫を観察し言語化して、自分に合うものを選択して実践し続けましょう。あ、ただし、このメタ認知力を育めば育むほど「 何を見ても笑えない 」という人になってしまうリスクはあります。ので、くれぐれもご注意ください。それこそ、自己責任でお願いします。
(メタヴォを聞いてから読むと理解できる、期待値のズレ)
今回、TKOさんのコントツアーは「 来年のキングオブコントの優勝を目指す 」「 そのため47都道府県を周って勝てるコントを創り上げていく 」というコンセプトです。私の購入した期待値も、そこです。コントです。それが期待値だったので、サプライズゲストの路上ミュージシャンは、私の期待値からはズレていました。(そのミュージシャン目当ての観客も2〜3割いた感じでした)こんなことも含めて、期待値を合わせにいくって、大事やなぁと感じていたのでした、とさ。
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