広島安芸高田市「 石丸市長vs市議会 」のエンタメプレゼン炎上劇場の視点

You Tubeで10万再生とか100万再生で、一躍話題の広島県は、安芸高田市。

ま、他人事として視聴していると、その「 アホ過ぎる感じ 」がエンタメとして面白いです。「 広島安芸高田市 」と検索するだけで、何本も動画が出てきます。プレゼン好き、否、議論好きな人は2~3本を見ると、そのドタバタ劇場に魅了されるでしょう。

政治のこと、市長、各議員の人や実績は特に知りません。その上で、何十本も動画を見ると、概ねこんな構造や論点が見えてきます。

❶有能な新市長 vs 無能な市議会議員の不毛な戦い
❷日本の地方政治の縮図

石丸市長は、学歴もキャリアも論調も優秀そのものです。し、その市長とやりあっている市議会議員たちは、論調を見ている限りでは、残念と言わざるを得ないレベルです。到底石丸市長と論戦できるレベルにありません。「 市長が嫌い 」「 とにかく揚げ足をとってギャフンと言わせたい 」という感情論だけが見えて、議員の能力というよりも人としても残念な印象です(何にエネルギーを使ってるの?って)。論調も支離滅裂で「 ロジカルな市長と同じ土俵で戦っていない 」と言えます。実際、いっさい議論になっていませんからね。ので、その意味でいうと「 作戦成功 」かも知れません。ロジックで戦ったら一勝もできないでしょうからね…。一般質問の答弁を見ていると、そのレベル感に悲しい気持ちになるわけです。

ので、視聴者としては「 有能な新市長 vs 無能な市議会議員 」という感想をいだくし、その「 分かりやすい対立構造 」がバズっている理由でしょう。もっと端的に書くと「 正義が悪を懲らしめる構造 」です。ま、市議会議員からしたら「 市長の任期(4年)が早く終わって欲しい! 」でしょうしね。じゃないと、自分たちの無能さがこれだけ拡散されてしまうと、次期選挙が危うくなります。つまり、自分の仕事がなくなるわけです。恐らく、これが彼彼女たちのエネルギーでしょう。

当の石丸市長は、市長を続けるつもりは無さそうな発言をされていました。ま、有能な方なので、各方面で声が掛かるでしょう。地方政治をこれだけ世の中に引っ張り出した、という側面での効果功績は相当だと思います。石丸市長に感化されて議員当選している人も出てきているわけですからね。各地方でも同様のことが起きても不思議ではありません。

そんな意味で❷日本の地方政治の縮図( まぁ、大なり小なり地方の政治って、こんな程度の人たちが、なぁなぁでやってきたんやろなぁ… )と、思ってしまいます。革新とか変化が起きるわけ無いんですよね。

とまぁ、最初の数本を観ているとエンタメ炎上劇場として、しょうむない動画より何倍も楽しめます。リアルに起きていることですからね(公式チャンネルでは切り抜きではない議会の様子が見ることができる)。が、さらに数多くの動画を観るとだんだん別の感情(視点)も出てきます。

❸有能な若者の無能な老人いじめ

表現は厳しいですが、本当にそうなんです。無能な老人集団を、有能な市長がいじめ倒している映像に見えてきたりもします。(多分、市議会委員側は、いじめられている感覚はないとは思います。それよりも、You Tubeでこれだけ拡散されていることには、少なからず困惑を覚えている?かも知れません。)

そんな「 いじめ 」っぽい感情を覚えている人から、石丸市長のやり方に対して「 そこまで厳しくしなくても 」「 もう少し歩み寄ったら 」「 もっと上手なやり方があるのでは 」という声が市民や外野(野次馬)から出ているのも事実です。

確かに「 正論 」では人は動きません。ので、旧体制の議員たちの気持ちを汲んで上手なやり方を模索して…、という「 正論 」も分かります。

が、そもそも論として「 会社が傾いている 」わけです。会社の業績がガタガタなわけです。これは、全国の地方自治体のほとんどに当てはまる状況です。日本全国「 人口減少 」が確定しています。税収入が減り続けることが確定しています。そこに新社長として、石丸市長が就任してきた、、、と考えれば、その感情論を持ち出すのは、果たして正しいのか?と思います。

新社長からすると、業績悪化を放置してきた旧経営陣の意見を聞いている「 暇 」はありません。なんとか、未来を見据えて❶経費を削減し❷収益を増やす施策を模索するのは「 当たり前 」のことです。ので、この「 当たり前 」の前提に立って議論できないと「 いじめられている議員が可哀想 」みたいな、論調を持ち出す人が出てくるわけですね。

私は、ここまでの実力差があると「 老人イジメやな 」とは思います。が、会社の状況(地方財政)を考えたときに、全面的に石丸市長側に立って見てしまいます(まったく、県外で関係ないけど)。

で、こういった「 日本人の感情論 」特に「 被害者感情に流されやすい日本人の意見 」は、いったん冷静に評価する人が増えて欲しいな、と思っています。で、こんな状況も踏まえて、最後の視点が

❹言い続ける石丸市長の強さ

我々野次馬は、ワーワー好き勝手言っていれば良いんです。「 石丸市長も、そこまで強く言わず、もっと上手に立ち回れば良いのに… 」と外野から言うのは簡単です。この意見こそ正論だし、誰でも言えます笑。では「 石丸市長になってみて 」考えてみましょう。どうでしょう?市民のため、業績が悪化し続ける会社の利益のために「 正しい根拠 」によって「 新しい施策 」を打っても「 多数決で否決 」され続けます。否決の根拠はありません。石丸市長を嫌う議員数の問題で、常に否決されます。それでも、ずっと言い続けるわけです。You Tubeの動画により、市内県外関係なく、大きな注目を浴びながら、ずっと正しかろう意見を言い続けます。しかも「 100%変わることがない 」連中を相手に、です。

会社組織であれば「 評価制度 」によって、降格人事もできます。評価制度も整備されていない中小企業であれば、社長の裁量です。そんな変わることが期待できない状況下で「 言い続ける 」ということは、それはそれは、凄いことです。あなたの会社組織に置き換えても分かるでしょう。最初2~3回発言して、反論されたらどうでしょう?しかも、根拠もなく感情的に反論されるわけです。し、その勢力図が変わることは無いんです。

そもそも、ほとんどの日本人が、組織を変えるために発言をすることはありません。まして「 旧体制の集団 」「 自分の立場を守ることが最重要な人種 」に正面切って堂々と立ち続けるわけです。ので、その視点に立っても、この石丸市長の異質性(良い意味で)、が分かると思います。

人の「 感情 」にスポットを当てて、色んな側面から物語を読んでいくことが「 プレゼンのシナリオ 」の学びになります。人は正論では動きません。感情を理解しないといけません。で、正論を感情に乗せて、相手の感情を動かしていくのが、一流のプレゼンターがやっていることです。感情だけでもダメなんです。正論なき主張は、ただの感情論になりますからね。プレゼンの教材として「 広島安芸高田市(あきたかたし) 」は、あり、です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次