事実は小説より事実なり
「 関東資本のスーパーが、関西への進出が相次いでいる! 」夕方のニュース特集です。「 その手の専門家 」がゲストとしてZoomコメンテーターとして招かれていました。
夕食時にチラチラ見ていたんです。が、専門家のコメントに@ゴリラの耳は釘付けです(性癖です)。 誰も気にならないコメントが気になって仕方ありません(性癖です)。専門家のコメントに、言葉の専門家としてのツッコミゴコロが止まりません!
キャスター「 この関東スーパーは、どんな特徴があるんですか? 」
スーパー専門家「 素材選びのこだわりが凄いんです。メニュー開発にもこだわっていて、カツ丼なんか、カツの衣が厚くって、タレがご飯にまで染み込んでいるんです。それで、299円で提供されていますからね! 」
スタジオのゲストたち「 わぁ~、もう、絶対食べたいわぁ~! 」
このおばさん、マジで、何か言っているようで何も言ってへんやん😭!!! (って、スタジオの人もなんか、微妙な顔してるのは気のせい?)
いうて、テレビで求められるコメント品質を知らないんですけどね。多分、これで正解なんでしょう。誰も夕食どきのコメンテーターに「 正しい情報 」「 専門家のコメント 」なんか求めてませんもんね。
そ、そ、それにしても酷いとは思ってしまうのは、私が敏感肌なんやろか???わざわざですが、因数分解して、解説しておきます。
先ほどの、専門家たる方のコメント(一言一句は覚えていません!)
素材選びのこだわりが凄いんです。メニュー開発にもこだわっていて、カツ丼なんか、カツの衣が厚くって、タレがご飯にまで染み込んでいるんです。それで、299円で提供されていますからね!
(1)事実と感想
✅素材選びのこだわりが凄いんです ←感想
✅メニュー開発にもこだわっていて ←感想
✅カツの衣が厚くって ←感想
✅タレがご飯にまで染み込んでいる ←事実かも知れない
✅それで、 ←感想
✅299円で提供 ←多分、事実
この専門家のコメント、もう一度見てください。ほぼほぼ「 個人の感想 」です。えっと…えっと…「 誰でも言えるわっ! 」なんです。もう、テレビの前で、こけました(嘘つきました🙇♀ ズルって椅子で滑った感じです)。専門家というか、スーパー好きブロガーとかスーパー好きインスタグラマーって言う分には、これでOKです。
・「 あくまでも私の感想なんですが… 」と先に言えば、それでOK
・「 事実は分からないんですけど… 」と先に言えば、まぁOK
・日本全国、日常茶飯事でこの「 事実と意見(感想)」の混在祭りが開催されています!「 事実と意見(感想) 」を使い分けをメタ認知できる人が、言葉の専門家、優秀なビジネスパーソンです。
(2)比較
この専門家という方のただの主観だから違和感があります。こいう場合、同業他社や同業態との比較があると、100倍分かりやすくなります。(専門家っぽくなります)
✅素材選びのこだわりが凄いんです
→他の競合は店舗担責任者任せですが、ここは素材選びの専門チームがあって…
✅メニュー開発にもこだわっていて
→一般的に年間100程度なんですが、このスーパーでは年間300以上のメニューが開発されて…
→通常開発期間は5ヶ月ほどが多い中、このスーパーでは10ヶ月もテストを繰り返して…
✅カツの衣が厚くって
→実測はしていませんが、他スーパーの約1.5倍の厚さかなぁと…
※そもそも衣が厚いって利点なの?
✅タレがご飯にまで染み込んでいる
→競合でご飯にまでタレが染み込んでいるのを見たことがありません…
✅それで、
→(と、ここまで比較して凄さ感を伝えたなら、ようやく)それで、
✅299円で提供
→299円。他のスーパーの最安値で499円です!(なんて言うと、凄さ感がさらに強調される)
なら、専門家っぽいでしょ?どうでしょう。
この言葉の感度を、視聴者が求めているか?テレビディレクターが求めているか?は、不明です。私が、コメンテーターなら、恥ずかしくって録画を見返す勇気がありません!
偶然観ていた番組のこの専門家のコメントを取り上げました。が、日本全国至るビジネスシーンで「 何か言っているようで、何も言っていない 」コメントで溢れています。喫茶店や居酒屋トークであれば良いですが、ビジネスシーンの9割がこんな感じです。これをメタ認知できるだけでも、コミュニケーションミスが日常的に減っていきます。特に、リーダー、コンサル、講師の人は、必須スキルですね。
あ、何か言っているようで何も言っていない日本語って「 頑張ろう 」「 注意します 」「 努力します 」が、日本代表選手です。言っている意味は全員分かるけど、結局、何も言っていませんからね!(シビアなビジネスにおいては、結局「 で? 」って言われます)
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