話し方の問題は、話し方ではない。全部伝えたいが、全部伝わらない理由。

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260609 Q:人前で話すとき、情報量は何を基準に決めたら良いですか?

今回は、話し方の問題は、話し方ではない、その典型例として「 初見 」の話です。

先日、ある初めまして経営者の方(Gさん)からスピーチ相談をいただきました。
今年4月に社長へ就任。
6月の社員大会で初めて経営方針を発表することになり「 15分のスピーチをどう組み立てたら良いか分からない 」というご相談です。

私は基本的に、相談者が持っている素材そのものは否定しません。
伝えたいこと。想い。価値観。方向性。そういった素材はできるだけ活かします。私の仕事は、素材を活かして料理の仕方を変えることだからです。じゃないと、相手は自分を否定された気分になってしまいます。なので、この素材を活かすという中には、相手のキャラクター(個性)も含まれています。それを活かさないと、結局、じゃあ誰が話してもええやん!ってスピーチになりますからね。

さて。

私がこのようなスピーチの組み立て、つまりシナリオの相談をいただいたとき、例外なく必要になる作業があります。それが「 情報を減らすこと 」です。

今回のご相談者G社長もそうでした。

事前のチャットのやりとりの時点で、言いたいことが10個以上ある。
これも言いたい。
あれも言いたい。
これも大事。
あれも伝えたい。
で、熱い想いも伝えたい。

気付けば情報が増え続けます。
そして一度増えた情報は、なかなか削れません。

分かります。その気持ち分かります。が、スピーチは15分ですよ社長!

というように「 伝えたい情報が溢れて、どうやって整理して、どんな構成にしたらいいか分からなくなった… 」という類の悩みは、多くの話し手に共通しています。

Q:では、何を基準に減らせば良いのか?

そのひとつの視点を提供します。
私が必ず点検している視点です。

「 初見殺しになっていないか? 」

です。

初めて見る。
初めて聞く。
その視点です。

話し手(自分)は、そのテーマの専門家です。少なくとも聞き手より詳しい。
し、スピーチの資料も何度も見返しています。
ので、情報がいっぱいだったとしても理解できています。

が、聞き手は違います。

その内容を初めて聞きます。初めて見ます。
聞き手は常に「 初見 」です。
リピーターであったとしても、前回のことを半分も覚えていません。

これを言語化できていないときに起きるのが「 初見殺し 」です!

例えば、聞き手にとって分からない単語が出てきた瞬間に、( どゆ意味? )と考え始めます。
これは、人間に備わった能力なので、自動で思考が始まります。

が、その間にもスピーチは進みます。すると理解が追いつかなくなる。
理解が追いつかなくなると、どんどん興味関心が薄れていき、集中力が削がれます。
結果、ただただ、座っているだけの聞き手になります。

これが初見殺しです。

私たちは、特にコロナ禍以降、YouTubeや音声配信学習に慣れてしまいました。つまり、初見殺しにあっても巻き戻せます。もしくは、スキップしてリタイアできます。

でもライブでは?

だからこそ、ライブで話すときほど「 初見 」という視点です。

情報を詰め込むこと自体は悪くありません。ってか、私も最初はとにかく詰め込みまくります。自分でも全体像を把握するために、伝えたい要素や相手が知りたいであろう要素をできる限り書き出します。

問題はその後です。
人間の本能との格闘です。

捨てる

ここで躊躇します。「 せっかく… 」「 もったいない… 」「 満足度が下がらないか… 」

Q:初見殺しになってない?

もし自分では風景となって判断できないのであれば、近しい誰かに練習相手になってもらうこと。
で、感想を聞くときは「 どやった? 」ではなく「 どこが分からなかった? 」と聞いてみてください。

いつでもこの「 初見殺し 」の視点を持っていると、他の話し手の「 初見殺し 」に気づけるようになります。

話し方が上手な人は、多くの情報を時間内に話せる人ではありません。
初見の相手に合わせて、情報をコントロールできる人です。

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